ご覧いただきありがとうございます、nasupiです。
バンコク病院で無事に出産を終えたのも束の間、産後入院中に担当の小児科医より赤ちゃんのビリルビン値が高く黄疸が出ているとの指摘がありました。
その後一度は退院するも数値が上昇したため再入院し、光線療法を受けて改善に至りました。
新生児黄疸はよく起こる生理的なものではあるのですが、やはり我が子が当事者になると不安なもの。
新生児黄疸と診断されてから調べたことや医師より説明されたこと、私の経験を以下にまとめてみましたので、同じように不安に思う方の少しでもお役に立てたら幸いです。
※以下記事の性質上医療的記述が含まれますが、私個人の経験に基づく出来事や見聞きしたもの・調べたもののまとめになりますので参考程度にご覧ください。
実際の治療や医学的知識の利用に関しては主治医の指示に従うようお願いいたします。
Contents
新生児黄疸診断〜改善までの流れ
産後2日目:ビリルビンの数値が10.5mg/dlとやや高め。明日退院前に血液検査をし、12mg/dl以上であれば赤ちゃんは退院できないとの説明を受ける。
産後3日目:血液検査の結果、ビリルビン値11.7mg/dl。ギリギリではあるが退院許可が出る。
-退院-
産後1週間健診:黄疸計での測定で15.8mg/dl。その場で入院手続き。
-再入院・光線療法開始-
光線療法2日目の朝:血液検査の結果ビリルビン値14.4mg/dl。あと1日光線療法継続の必要があるとのことで入院継続。
光線療法3日目の朝:数値10.4mg/dlとのことで退院許可が出る。
-退院-
産後11日目経過観察受診時:黄疸計での測定で11.6mg/dl。このまま下がっていくだろうとのこと。
新生児黄疸が強く出やすい子
どんな子でも黄疸が出る可能性があることは理解しているのですが、強く出やすい子に何か特徴はあるのかな?と疑問に思ったので調べてみました。
・親が近親同士→血が濃い
・親子の血液型が違う(特に母親がO,子がAかB)
→特にRh型不適合だと溶血性黄疸
・低出生体重児、早産児
・難産や吸引分娩により頭血腫が生じた場合
私の子はどれにも当てはまらず、調べれば調べるほど「なぜうちの子が…」という気持ち。
新生児黄疸の症状
・肌や白目が黄色
顔→胸→お腹→太ももと広がっていき、特に足の裏が黄色いと高ビリルビン状態
・便が白っぽい
重症だとグレーっぽくなるとのこと
・母乳の吸う力が弱い
・38℃以上の熱が出る
などなど。
新生児黄疸の原因
生理的黄疸
赤血球の中のヘモグロビン、壊れるとビリルビンとなり肝臓から胆道を通って便や尿として排出。
母親のお腹の中の環境から外の世界へ適応するために古いヘモグロビンがどんどん破壊されるが、排出機能が未熟で追いつかないため血液中のビリルビン濃度が高くなる。
通常2週間程度で血液が入れ替わり肝機能も発達してビリルビン排出がうまくいくようになるので自然と治る。正常な生理的黄疸。
母乳性黄疸→害なしだが黄疸長引く。
病的黄疸
生まれた時から黄疸が出ている、および2週間以上経過しても黄疸が消えない場合は病的黄疸を疑う。胆道閉鎖症や肝炎などの可能性あり。
生後24時間以内に発症→血液型不適合が原因の溶血性黄疸。
核黄疸→脳に異常、難聴、筋麻痺などの重篤な症状を引き起こす可能性。
血中のビリルビン値
通常、生後1週間がビリルビン値のピーク。正常な新生児で13mg/dl程度。
多くの場合、2週間経過すると5mg/dl以下になる。
15mg/dl以上で要精密検査。
18mg/dl以上→核黄疸のリスク(脳の異常・難聴・筋麻痺)、胆道閉鎖症の疑い
1日の数値の上昇が5mg/dlを超えると病的黄疸を疑う。
新生児黄疸における光線療法
光線療法は、重篤な症状を引き起こす「核黄疸の予防」が最大の目的となります。
目と性腺を保護する目的でアイマスクとおむつを付け、それ以外は肌を露出し450-470nmの波長の青色LEDを全身に当てます。
こうすることで血中のビリルビンが、肝臓から排出されにくい非抱合型(間接・脂溶性)ビリルビンから、排出されやすい抱合型(直接・水溶性)ビリルビンへ変化し、体外へと出ていきます。
光線療法を行うと、ビリルビン値は早ければ2〜3日で正常値内に下がることが多いそうですが、もし光線療法で改善しなければ、輸血で血液の交換、γグロブリン大量点滴での治療も視野に入ってきます。
光線療法の副作用としては、肌の乾燥、日焼けした肌色になる、発疹が出る可能性があるとの説明を受けました。重篤な副作用はないとのこと。
丸二日の光線療法
アイマスクをして強い青い光の元横たわっている、生まれたばかりの小さな我が子。
目隠しされているため感覚過敏になっているのか、体に触れるとビクッとして震えています。とてもかわいそうで胸が痛む光景でした。
初めの入院説明で言われたのは、まずは24時間の光線療法を行い血液検査でビリルビンの数値を見て、下がっていれば退院とのこと。
私たちは何となく1日で退院ができる気がしていたので、検査結果の電話で入院継続を知らされたときは少し落ち込みました…。
2日目の電話で医師より退院許可が出たとの報告を受け病院へ。
すぐにでも我が子に会いたいとNICUに行ったのですが、看護師さんから「支払いを済ませてからまた来てください」と。
お金を払わなければ我が子を返してもらえないという現実と向き合いながら支払いを済ませ、再びNICUへ。
48時間の光線療法を終えた我が子の肌色は、確かに黄味が抜けて白っぽくなっていました。
数値は10.4mg/dlとのことで思ったより低くはなっていなかったけれど、医師からは完全母乳育児なので肌の黄色っぽさはしばらく続くかもしれないが心配ないとの説明がありました。
子供の入院中に親ができること
子供が入院中に私ができることとして、毎日搾乳した母乳を届けていました。
母乳によって黄疸が長引くとはいえ母乳のメリットはデメリットをはるかに上回るので、医師からも搾乳した母乳を持ってくるようにとの指示あり。
今までは手絞りで行っていたのですが、時間がかかり痛い割に多くの量がとれません…。
ということでこれを機に、搾乳機を購入!
LAZADA(通販サイト)で300バーツほどのものですが搾乳のストレスがかなり軽減され、時間の節約にもなるし購入して本当に良かったです。
搾乳した母乳はパウチに入れ冷凍し、保冷ボックスに入れ毎日病院へ届けました。冷凍した母乳は1ヶ月保存できます。
赤ちゃんに与える際は40℃程度のお湯で湯煎して溶かし(母乳を50℃以上にしないこと)、解凍したら4時間以内に使います。
温める際に電子レンジの利用はNG。
ちなみに搾乳してから冷蔵保存した場合は24時間以内に使用すること。
おわりに
新生児黄疸は良くあること、ほとんどの場合大丈夫!と言われても、重篤な症状が出る可能性が少しでもあるならば親としては不安になるもの。
元看護師で一応知識のあった私でも、我が子の入院中は心配でなりませんでした。
また光線療法中の我が子の姿はなかなかにショッキングで脳裏に焼き付いており、一生忘れないかもしれません。
今こうして何事もなかったかのように家族みんな同じ家で過ごせるようになって本当に嬉しいです。
産まれたばかりの我が子が新生児黄疸と診断されて不安な気持ちを抱えているパパさんママさん方など、私の経験談が少しでもお役に立てたら幸いです。