こんにちは、nasupiです。
本日より、「日本×スウェーデン国際結婚への道」というシリーズを始めます。
今回は【1:結婚観の違い】について。
結婚したい、アラサー日本人女子
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結婚という制度は重要ではないと考える、スウェーデン男子
この2人が結婚観の違いを乗り越えて、国際結婚への道のりを歩み始めました。
2人の間にどのような結婚観の違いがあったのか、どう乗り越えて国際結婚のステップへと進んだのかを今回お話しさせていただきますね。
Contents
結婚という制度は重要ではないと考えるスウェーデン彼
彼の周りには未婚ファミリーがいっぱい
彼のご両親はご結婚されていますが、彼の周りの(私がお会いしたことのある)スウェーデン人カップルは、未婚のまま子供を持つ人がたくさんいます。
中には、結婚はしていないけれど不妊治療までして子供を作っている人も。
一番上の子供が12歳になった年に結婚をして、子供3人と一緒に結婚式を挙げた、なんていうファミリーもいます。
さらには連れ添って50年、今年はプロポーズしてくれるかしら?とパートナーからのプロポーズを待ち続けるおばあちゃまもいるとか。
このように籍を入れず、サンボ(事実婚に近い)の状態でずっと暮らすカップルもスウェーデンには多くいるのです。
もちろんスウェーデンでも初めから結婚するカップルもいますが、彼の周りには結婚しない仲良しカップルが沢山いたため、彼も結婚の必要性をあまり感じなくなったのかもしれません。
事実婚「サンボ」とは
スウェーデンで未婚のファミリーが多い理由の1つとして、「サンボ」という制度があります。
サンボとは日本でいう「事実婚」に近い状態ですが、きちんとした届出をもって法的に婚姻関係とほぼ同等の権利を得られます。
交際しているカップルで、同居している・家計等の経済活動を共にしているなどの理由により、サンボと認められます。
もちろん初めから結婚するカップルもいますし、ずっとサンボでいるカップルや、サンボから始まり数年後に籍を入れるカップルもいます。
そして別れる時は役所に届け出ることによってサンボ解消となります。
スウェーデンは離婚率が高いので、離婚した親の元で育った子供が結婚という制度に懐疑的になったり、またシングルマザーも手厚くサポートされる社会福祉が整っているのであえて結婚する必要がないと判断する人もいるそうです。
ちなみに北欧では現在、約半数が婚外子として生まれているというデータがあります。
結婚とサンボの違い
「サンボ=法的に婚姻関係とほぼ同等の権利」と書きましたが、大きな違いが1つあります。それが「遺産相続」です。
サンボのパートナーがなくなった場合、遺産は子供・兄弟・親族に相続され、残されたパートナーへは遺言状がないと入りません。これだけは、配偶者でないと受け取れないことになっています。
ってことは、遺言状があれば結婚と全くおんなじ?!
サンボを選択した人の声
パートナーとサンボ関係を結んでいる彼の友人(スウェーデン人)曰く、
「結婚という制度に縛られていないから自由にどこへでも行ける。だけど僕はそれでも彼女のそばにいることを選ぶ。そこにロマンチシズムを感じるだろ?」
だそうです。
う〜ん、同じようにそこにロマンチシズムを感じている者同士だったらWin-Winなんでしょうけど。
結婚したいアラサー日本人女子
日本における婚姻と戸籍制度
日本には「戸籍制度」があり、親・子の2世代によって編成されます。
例えば、同一戸籍にいる「子」が大人になり結婚すると、今までの親と成していた戸籍から抜け、配偶者との戸籍を新たに作ることになります。
実際に、結婚した私の兄は現在、両親と私と成していた戸籍から抜けたため「除籍」という表記になっています。
日本で結婚をせずに子を持つとなると、生まれた子は婚外子、非嫡出子などと呼ばれ、父親と子供の父子関係を認めるには父親の「認知」が必要です。
父親に認知をしてもらえないと、扶養請求や父親の遺産相続に影響が出ます。状況によっては不利益を被らないとは言い切れません。
そんなわけで私は昔から未婚で子を持つ考えはありませんでしたし、「この人」と決めた人と結婚し、自分の家族を持つことを長年夢見ていました。
ちなみにスウェーデンでは戸籍制度はなく「パーソナルナンバー」が個人に付与されるので、親が結婚している・いないということでの子への影響はありません。
異なる結婚観をすり合わせ
彼が結婚という制度に対して懐疑的な見方をしていることに、初めはショックを受けました。
「もし一生添い遂げるつもりなら、結婚しないのは責任を取りたくないだけとしか思えない!別れることになった時の保険でしょう!!」
こんな愚痴を周囲に漏らしたことも。
しかしスウェーデンの結婚やサンボという制度について知識をつけていくうちに、だんだんと事実婚というものを自分の問題として考えるようになりました。
そして結婚したいという気持ちは変わらずとも、以前ほどの結婚への執着が薄れ、彼との今の幸せな生活にフォーカスするようになった交際4年目も半ばを過ぎた頃に、自然な流れで彼から「結婚しよう」とプロポーズがありました。
結論:とことん話し合うことが大事
私たちの場合、お互いの結婚観を理解し認め合うことで2人の進むべき道がクリアになったように思います。
本音で話し合うことすらできない2人が、次のステップへ進むことなんて到底無理ですしね。
自分の大事にしている信念や価値観を、相手にちゃんと伝わるように丁寧に話すことは欠かせません。しかし、自分の考えを相手に無理やり押し付けるだけでは当然いけません。
これは何事にも言えることですが、国際恋愛・国際結婚であればなおさら相手の価値観の理解に加え、相手国の文化・育った環境諸々、自分の「常識」を一度取っ払って相手を理解することが必要になってきます。
もともと違う価値観を持った2人が共に生きていく決断をするのはとても大変なことです。しかしそれを乗り越えた2人は、とても固い絆で結ばれると信じています。
2人でいることによって、2人分以上のパワーを発揮し相乗効果を生み出すことが、元々他人同士が共に人生を歩んでいくことの最大の価値だと私は思っています。
もし以前の私のように、国際カップル特有の結婚観の違いで悩んでいる方がいたら、その気持ち胸が締め付けられるほどよく分かります。
全世界の国際カップルさんが、2人の幸せな未来へと続くことを心の底から願っています。
さて、次にお送りするのは→
日本×スウェーデン国際結婚への道【2:居住国(タイ)での独身証明書発行】
です。