こんにちは、nasupiです。
世界一クサイ食べ物といえば…そう、発酵させたニシンの塩漬けこと「シュールストレミング(surströmming)」ですね。
スウェーデン発祥のシュールストレミングですので、スウェーデン人の夫を持つ私もその存在は認知していました。しかし今まで挑戦しようとは思わなかったのです。なぜなら夫が「やめたほうが身のためだ」といつになく真顔で言っていたから。
しかし、今回ひょんな事から【世界一クサイ食べ物・シュールストレミング】を食べることに!
私の経験をもとに、シュールストレミングの缶の開け方・食べ方・匂いの感想をまとめてみました。
Contents
シュールストレミング(surströmming)とは
シュールストレミング(surströmming)とは発酵させたニシンの塩漬けのことで、主にスウェーデンで生産・消費されます。
スウェーデン語でシュール=酸っぱい、ストレミング=ニシンを意味し、「世界一クサイ食べ物」としても有名です。ウィキペディアによると、くさやの6倍臭いんだとか。
シュールストレミングは、保存食として14世紀ごろスウェーデンで発祥。塩水に漬け、12-18℃で10-12週間かけて発酵させます。
スウェーデンにおいてニシンの旬が4〜5月なので、その頃に獲れたニシンを使ってシュールストレミングを仕込み、発酵完了するのがちょうど7〜8月。
したがってスウェーデンでは、シュールストレミングは夏の風物詩なんだとか。
なぜ今回シュールストレミングを食べることになったのか
さて、今回なぜ私たちがシュールストレミングを食べることになったのか。
それは私の両親が来瑞した際、父親がポロリと「せっかくスウェーデンに来たから、シュールストレミングってやつを食べてみたいなぁ」と発言したことがきっかけ。
その時の夫の(何ィ!?)という表情、私は見逃さなかった。
そんな夫をよそに、義父は「いいねぇ、シュールストレミングパーティーしよう!」とノリノリ。
なぜなら義父は嗅覚障害者という、シュールストレミングにおいて最強の守備能力保持者。シュールストレミングの缶開け係も買って出てくれました。笑
シュールストレミングを食べるにあたっての準備
世界一クサイ食べ物を食べるならば生半可な気持ちじゃあいけません。シュールストレミングのために以下のことを準備しました。
ご近所に了承を得る
シュールストレミングは世界一クサイ。となると無論室内では食べられません。屋外で食べるのですが、そうなると世界一クサイ匂いを周囲に放つことになります。したがって、あらかじめ隣近所にシュールストレミングを食べる日時を伝えておきました。
雨ガッパ、ビニール手袋、捨ててもいいような服を着用
シュールストレミングの漬け汁が服についたらしばらく匂いが取れないという話も聞くので、完全防備で挑みます。
マスク、歯ブラシ持参
きっとシュールストレミングを食べたら口の中が世界一クサくなるのだろうと推測し、使い捨て歯ブラシを持参。
食べる前はシュールストレミングがどのくらいクサイか分からなかったので、とりあえずマスクも準備していました(しかし結局食べる時には外すことになるので結局あまり意味なし)。
シュールストレミングの缶の開け方
シュールストレミングは缶の中でも発酵が進んでいるため、購入時には缶がやや膨張しています。そのまま開けると漬け汁が飛び出し、それが服に付いたりすると洗っても1週間は臭いが取れないとか。
したがって、缶を斜めに傾けて缶の中の空気を1カ所に集め、そこに缶切りを入れる、または水の中で開ける、もしくは缶ごと凍らせて開けた時に汁が飛び散らないようにする…などなど様々な方法があるよう。
私たちは屋外でシュールストレミングを開ける準備をし、嗅覚障害を持つ義父に開封の儀をお任せしました。笑
缶切りを入れる瞬間を見逃してしまったのですが(雨ガッパの着用にもたついていたため)、話によると缶切りを入れた瞬間30cmほどの汁が飛び上がったそうな。
その直後にシュールストレミングの周りにはハエがたかり始め、辺りにクサイ匂いが徐々に広がります。
やっぱり世界一臭い食べ物は紛れもなくクサかった。
シュールストレミングの匂い
世界一クサイとはいえ、実際のシュールストレミングはどんな匂いなのか気になりますよね。
私は実際の匂いを嗅ぐまで、アンモニア臭のようなツンとする匂いかな…と勝手に想像していました。
しかし実際のシュールストレミングは、たんぱく質が腐ったような刺激臭というよりかは、泥臭〜いヘドロを彷彿させる、数年間掃除していない排水管の匂いを10倍濃くしたような、そんなにほひ。
匂いを言葉で表現するのはとても難しいのですが、間違いなくクサイ。夫は「うん○だ!う○こ!」と大騒ぎ。確かに下水系の匂いではあります。
シュールストレミングの食べ方
スウェーデン流シュールストレミングの食べ方は、薄焼きパンの上にマッシュしたポテト、その上にシュールストレミングを乗せ、お好みで刻みオニオン、薬味、ソースをつけて一緒にいただきます。
ウォッカなどアルコール度数の高いお酒とともにシュールストレミングをいただくのも、スウェーデンのパーティーではよく行われるのだとか。
苦くて強ーいお酒で、シュールストレミングの匂いもうやむやに。
シュールストレミング実食
辺りに漂う異臭の中、いよいよ世界一クサイ食べ物シュールストレミング実食。
強烈に臭くて口に運ぶ動作すら憚られるのですが、意を決して口に入れると…瞬く間に鼻が麻痺!!
匂いを嗅ごうとするも、なんだかよく分からなくなりました。
加えてポテトがシュールストレミングの塩気を緩和してくれたおかげで、意外にも食べるという動作はできました。
味としては、不可解な風味が鼻に抜ける分厚いアンチョビといった感じ。塩辛いので口内の水分が持って行かれ、とにかく喉が渇きます。
予想では吐き気をもよおしながら食べることになるのでは…と思っていただけに、よく分からないままに完食できたことにはちょっぴり拍子抜け。
ただ口鼻辺りには常にドブ臭さを感じるし、味もとりわけ美味しいものでもないのでおかわりはしませんでしたが。
シュールストレミングを食べ終えたあとの体調の変化
食べ終えた1時間後くらいからお腹がポコポコ鳴り始めました。
ただ単にその時の体調がそうだっただけかもしれませんが、異様にガスが溜まるような、妙にお腹が張る感じ。
そして食事を終えた後も口の中がドブ臭いような感じがしばらく継続。しばらくというか、翌朝の起床時までも続いていました…。おそるべし。
しかし、改めて調べてみるとシュールストレミングはどうやら目に良いらしく、緑内障や白内障防止に実際に効いたとの報告が数多く挙がっているとか。まじっすか。
医学的には認められていないそうなのですが、目に良い薬だと思ったら世界一クサくても頑張って食べられるのかも。
シュールストレミングを初めて食べた感想
シュールストレミングは、紛れもなくクサイです。今まで食べた“食べ物”の中では紛れもなく一番クサイものでした。特に嗅覚が敏感な方はさぞお辛いことと思います。
しかし、私はもっとクサイにおいを嗅いだことがあります。それは「腐った卵」。
あれは数年前のこと。料理をしようと卵のカラを割った瞬間、どろっとした黒い物体とともに解き放たれた、刺激を伴う強烈な異臭…。
においを感じるや否や突然の吐き気をもよおし、人間の防衛反応ってすげー!と思った記憶が。今でも当時の状況を鮮明に思い出せるほど、脳裏に深く焼き付いています。
シュールストレミングはそれと比較すると、正直言ってマシ。
マシです。とか言うと「世界一クサイ」のインパクトが薄れてしまいそうですが、食べ物として存在するものとしては確かにトップクラスでクサイのは確か。
腐った卵って、もはや食べ物ではないですからね。
てなわけで、結論としては「シュールストレミングはクサイ!だけど意外と食べられる。食べ物でなければ世の中にはもっとクサイものもあるけどね」ってところでしょうか。
お粗末様でした。
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